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発達に遅れのある子どものことばについて

障がいのある子どものことばの発達を考える上で、

あらためて、ことばを要素に分解してみたくなりました。

 

ことばには4つの要素があると思います。

「読む」、「書く」、「話す」、「聞く」。

 

「読む」とは視覚的刺激を頭に取り込むことで、

「書く」とは頭の中にある視覚的な情報を出力することです。

また、

「聞く」とは聴覚的刺激を頭に取り込むことで、

「話す」とは頭の中にある聴覚的な情報を出力することです。

 

なんだか、簡単なことを難しく言いかえているだけに

思われるかもしれません。

 

でも、障がいのある子どもたちの療育の現場にいると、

私たちが当たり前にやっていることが、

実に高度なことだと気がつくことがあります。

 

例えば、「書く」ことを考えると、そこにはいくつもの段階があります。

 

なぞり書き・・下にある線をなぞる

写し書き・・・上にある文字と同じ文字を下に書く

聞き書き・・・だれかが言ったことばを書く

自発書き・・・自分の頭の中にある言葉を文字にする

 

 

なぞり書きと写し書きの間には深い溝があります。

なぞり書きはただ線をなぞるだけだけど、

写し書きは文字の形が1度は頭の中にイメージとして記憶され、

それが文字として再び出力されるという作業なんですね。

この、頭の中にイメージするということがスゴイことなんです。

 

写し書きには

文字の形 → 頭の中のイメージ → イメージを再現

という段階がありますが、

聞き書きには

文字を表す音 → 頭の中のイメージ → イメージを再現

という段階があります。

ここでは文字を表す音と形の結びつきの強さがポイントになります。

 

そして、自発書き(実際にはそんな言葉はありませんが・・)とは

外からの刺激ではなく、自分の頭の中にあることば、

欲求とか、感情とか、もっと単純な単語を文字にすることです。

それぞれの段階には深い溝があり、丁寧な積み重ねが必要です。

 

ずいぶん、難しそうな話になってしまいましたが、

私たちができて当たり前だと思っていることの中には、

非常に高度な作業が積み重ねられています。

 

苦手なことをクリアするために、細かいステップをつくり、

サポートすることが必要です。

それによって、その子どもの可能性は広がります。

 

ただ、一方で絶対に必要なものは、

できること・得意なことを楽しく続ける時間です。

 

私はこの二つは車の両輪だと思いますね。

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