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ニッタ先生、ビミョウです。

今日、利用者のAさんは私に会うなり、

「ニッタ先生、髪の毛切ったね。」

といってくれた。

 

午前中に床屋に行ったので、まだ誰も、家内も気づいていない。

気にしてくれてるんだとちょっと喜んで、

「かっこよくなった ?」

と聞いてみた。

 

「ビミョウです。ニッタ先生、ビミョウです。」

自閉症のAさんは気にしてくれていたのではなく、ただ「違い」が

気になっただけだった。

でも、そのビミョウのニュアンスが絶妙で、ずいぶんことばの力が

あるんだと感心した。

 

その後で、

「本人の前では言ってはいけません。」と2度ほど、繰り返していた。

自閉症の利用者、ダウン症の利用者、そして作業所ではほとんど顔を

あげない真理子さん(私の娘)、ほのぼのした時間が流れています。

 

ゆっくりと

おくれても

あわてない

おくれても

おこらない

(川上美也子五行歌集より)

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