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不登校の子どもの父親の役割

不登校の相談にはじめて来る時、

お母さんだけで来るケース、

お父さんだけで来るケース、

お父さん、お母さん、二人で来るケース、

いろいろなケースがあります。


子どもへの対応も

お母さんがリードしている場合もあれば、

お父さんがリードしている場合もあります。


子どもが不登校になると、

どうしても子どもは母親と過ごす時間が長くなって、

母親の役割ばかりが強調されることになります。

でも、不登校の子どもの父親の役割は実に重要だと思っています。


父親の役割は二つあるように思います。

「子どもの母親に対する役割」と「子どもに対する役割」。


お母さんひとりにがんばらせないために、

どう、お母さんに寄り添うか。

それは本当に大きなテーマです。

オロオロしながらも、いっしょに子どもと向かい合えるといいなと思います。


そして、父親として、子どもとどう向かい合うのか。

私は不登校の子どもの父親の役割を「動かない壁」に喩えています。

・・・ちょっと分かりにくい喩えですね。


子育ての中では、母親の役割と父親の役割は違うように思います。

少なくとも私は、父親の存在を意識しながら、

親子の関係性を感じていました。


それはスカッシュ(壁に向かってボールを打つスポーツ)で

自分が打ったボールに対して、どんなボールが帰ってくるか、

それに似ている・・ような気がしています。


父親と向かい合うことで、自分の存在を確認していたのだと思います。



さて、子どもが不登校になった時の父親の反応としては、

「子どもが不登校になった。困ったことは母親に任せる」タイプと

「子どもが不登校になった。困ったことは父親ががんばる」タイプがあります。



母親に任せるタイプは

母親に任せることで、子どもと父親の距離はさらに広がります。

子どもとの距離が広がることによって、子どもの不安が増し、

「なんで私ばっかり・・」という母親のイライラも増すことになります。


一方で父親ががんばるタイプは多くの場合、こんな意識を持っています。

「私は会社でこんなにがんばっている。少しぐらいつらいことがあっても、

 乗り越えていけないようじゃ、社会の中では生きていけない」


自分ががんばっていることで、

どうしても、子どもにも母親にもがんばることを求めてしまう。

子どもとの距離を縮め、子どもを動かそうとする関わりになります。

子どもにとっては家庭の中での居場所を失ってしまうことにもなりかねません。



子どもが不登校になった時、

子どもとの距離を広げようとしてしまう父親と

縮めようとしてしまう父親がいます。

どちらも、あまり、いい結果にはならないように思います。



私が言ってる「動かない壁」というのは

子どもが不登校になっても、

じっと見守り続ける姿をイメージしています。

子どもとの距離を変えずに、見守り続けるのはけっこう難しいこと。


不登校の子どもが自分で自分の一歩を踏み出していくのには、時間がかかります。

その時間を見守り続けるにはエネルギーがいる。



オロオロしててもいい。

なにも出来なくてもいい。

子どもを見守り続け、そこにいる。

ほんの小さな喜びでいいから、探し続ける。

逃げない、あわてない、そんな父親でありたいと思います。

そして、そんな父親であってほしいと願っています。

2013年9月17日

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