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カエルの最期を看取る

もう、10年以上前のこと。

不登校の中学生の家庭に訪問相談に通っていた。

パソコンのこと、ゲームのこと、詳しかったなあ。

パソコンをいっしょに組み立てたこともあった。


でも、一方でカエルが大好きだった。

そのカエルはアマガエルでも、トノサマガエルでも、食用ガエルでも

なかった。

名前は覚えていないけど、外国産のカエルで1匹数千円。


マニアの雑誌があって、隣町に輸入したカエルを扱っているアニマルショップ

があった。



ある時、訪問して部屋に入っても、なにも言わずにカエルの飼育ケースを

見ていた。私もいっしょにケースの中をのぞいた。

カエルの体が半分黒くなって、生気がなかった。


「カエル・・ぐあい悪いの・・?」

「昨日から・・、もうすぐ死んじゃう」


彼は時々ケースの中に手をいれて、カエルの背中をさすっていた。

その日はなにもせず、ふたりでカエルのケースを眺めていた。

私は帰らなければならない時間になって、その場を離れた。


次の週に訪問した時に、私が帰ってまもなく、カエルは亡くなったと聞いた。

彼は一生懸命、カエルの最期と向かい合い、看取りをしていたんだと思った。


とても純粋な中学生の男子に、いのちと向かい合うこと教えてもらった一瞬。

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2011年11月3日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:不登校の部屋

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